20180803-07 白馬三山縦走(2)「青春×切なさ=死にタミン」
8/5(日)
1:00 運転する車が諏訪を抜け、松本を横目にどんどん北上していく。
実家で布団に滑り込んだ後、SNSで猿倉の情報見てたら、どうやら駐車場争いが熾烈を極めるらしいことが発覚。こうしちゃおれんとSを叩き起こし睡眠0でデッパツと相成った。
2:00頃猿倉の駐車場に到着。なんとか駐車場を確保。4:30まで仮眠。
日の出とともに出発。
懐かしの白馬三山。胸が高鳴る。
白馬尻には女性の山岳レスキューの方がいた。かっこよかったな。
大雪渓は相変わらず見た目には汚い。アイゼンも雪渓も初めてのSだったが、ペースを崩さずに登っていた。
下山組の渋滞をかき分け、高山植物を愛でながら11:00前にはテン場に到着。テントをぱっぱと建てて、バテ気味のSを連れて山頂へもうひと歩き。
雲が多かったが申し分ない天気で、明日歩く稜線もよく見える。二年前に訪れた際にはガスっていて見えなかった景色だ。
結局昼から16:00頃まで景色を見ながらSとグダグダしていた。
不思議なもので眼前にいい景色が広がっているのに、時間がありすぎるといらんことまで考える。
合コン(合気道コンテスト)で失敗しただの、女にフラれただの、高校の時の誰々が結婚しただの、仕事が嫌だの(Sは年内で仕事辞めるつもりらしい)話していると、いやでもこれから先、僕はどうなっていくんねやろとか考えてしまう。
なるようにしかならない。だからイキるな。が信条なのでこれからのことはあんまり悲観はしてないんだけど、漠然と「人生」みたいなものが僕の上に薄い膜を隔てて乗っかってくるような感覚。ちょっといや。
両親が北杜市でセカンドライフをスタートさせたことも、少し原因しているんだと思う。
ずっと音楽をかけながら景色を見てたんだけど、不意にかかった吉田拓郎の「今日までそして明日から」が間違いなく今日のベストアクトだった。
テン場に降りて夜ご飯。今日は定番のキムチ鍋である。そして日本酒。疲れた心身に沁みた。
21:00頃就寝。経験したことのないような強風でテントが吹っ飛んでいきそうで、夜はあんまり眠れなかった。山ではいつもぐっすりなのに。
8/6(月)
4:00頃に起き出して強風の中テントの撤収。風強いガスってるで最悪な気分の中デッパツ。
ガスりすぎててどこを歩いてんだかわかんないまま小一時間歩く。風強すぎて岩の影に逃げ込んだりしてるとようやく明るくなってきた。
そんなこんなで杓子岳到着。天気最悪なだけあって雷鳥たくさん見れた。
そこからまたテクテク歩いて行って白馬鑓到着。杓子降りたあたりから少しずつ天気が良くなって行って、稜線がちらほら顔を出したりしてその度にSと「おお!」と興奮した。
けど結局この日はこれ以上天候は回復しなかった。
白馬鑓から鑓温泉までの下り。鎖場も出てきてなかなか飽きさせない。
やっとこさ鑓温泉まで降りてきた時は温泉のことしか考えられなくなっていた。
次の日の天気が優れないこともあり、温泉に入ったら早々に下山してしまおうかとか話していたけど、温泉に浸かってぬる燗したら二人とも完全に出来上がってしまい、泊まっていこうということになった。(最初から下山する気が無かったとも言える)
結果的にはこの判断が功を奏し、テン場では陽気なおっちゃん達や人の良すぎるカップルと楽しい酒盛りができて、良い時間を過ごすことができた。
このカップルというのが、話しているうちに職場の先輩たちの飲み仲間だということが発覚。世の中広いけど狭いなあと思うのであった。
温泉に入って飲んで、出て飲んでを繰り返して、19時過ぎには気絶するように眠ってしまった。
8/7(火)
日の出前にのそのそと起き出して温泉に入る。ガスっており残念ながら日の出風呂とはならなかった。
今日は下山だけなので、昨日一緒に酒盛りした方々が出発するのを、朝ごはんを食べながらゆっくりと見送る。
7:30頃デッパツ。
すぐに雨が降り始める。長くて単調なだるい下り。この縦走ルートで一番嫌な時間。雨が降ってたらなおさら。
2時間強ほどで猿倉に到着。登山は無事終了。下界はとてもいい天気。麓で温泉に入って安曇野でうまい蕎麦食べて、松本をぶらっとした。
Sとは松本駅でお別れ。お互い明日からは一般人に紛れて現実世界に溶け込んでいくのだ。逆妖怪人間だ。早く妖怪になりたい。俗世とおさらばしたい。
家に帰って猫愛でて夜行バス乗り場まで送ってもらって帰阪。ゆるゆるとしすぎてあれこれ考えてしまう夏休みでした。